現代のアニメの放送サイクル

テレビ局の編成サイクルは1クール(3ヶ月、13週)が基本単位で、3ヶ月で13回の放送が基本になっている。

1990年代まで、1年が最も一般的で6ヶ月から9ヶ月は少数であった。その後の情勢の変化で、全日帯アニメは6ヶ月(2クール)、深夜アニメは 3ヶ月(1クール)・6ヶ月が放送期間とする放送権契約が主流になった(テレビドラマにおいても同様の傾向がある)。

深夜枠の作品で、2002年頃から地上波デジタルテレビ放送準備工事に伴う放送休止や、放送期間内に臨時の特別番組やスポーツ中継等の番組放送で、1クールあたりの放送枠が削減され、最終話まで放送できない例が多数発生した。その防止策として、企画当初から通常のクール数より若干少なめに放送回数を設定する作品も増加したが、作品自体は13話として制作され、削減したエピソードを本放送開始前、途中に関連特別編として放送する作品も存在するが、ほとんどはパッケージ版に収録され販売される。

放送期間は、視聴率や関連商品の売り上げ等で延長されることもあれば、視聴率不振などの理由で打ち切りや放送枠が早朝・深夜枠に移動される例も多い。

近年ではNHKや在京キー局およびその系列局制作アニメ作品の一部においても、時間帯を問わずに制作スケジュールなどの関係で2クール分放送後、一定期間をおいて3クール目以降を放送する手法を取る作品も現れている。

ポケモンショック

1997 年12月に発生した、ポケモンショックである。この問題となった光を用いた表現について、テレビ東京やテレビ朝日で、厳しく規制されており、銃撃戦のシーンなどで不自然な減光や残像処理が行なわれいる。映像演出規制に加え、それまでも散発的に実施されていた性的描写規制、同時期に発生した神戸連続児童殺傷事件に代表される、少年による凶悪犯罪の原因究明に端を発する暴力描写規制等も含む包括的な自主規制へと発展して行った。

児童層が視聴する可能性が少ない深夜アニメにも、自主規制が始まった。お色気な表現(パンチラ表現など)、暴力的な表現(銃で撃たれても血の表現がないなど)も対象となり、作品の表現上の必然性が失われてしまうなど、極めて憂慮すべき問題であった。これまで通りの基準で制作したいメーカーが、テレ東以外で放送する局を模索する、テレ東離れが始まり、WOWOWアニメやCSアニメ、UHFアニメ、BSデジタル放送局用の作品を制作し放送するになった。

2003 年頃から、フジテレビも性的描写に厳格な姿勢に転じ、TBS自社制作の深夜アニメも比較的穏和な作品が中心であり、お色気・流血絡みの描写がある原作作品もテレ東並みの表現規制を敷いている

在京キー局で比較的表現規制が緩いのは日本テレビとテレビ朝日であるが、後者はフジテレビ同様に放映トラブルを相次いで引き起こしたことから現在では深夜アニメの放送は激減し、不定期的な状態である。

2001年に成人ゲーム原作である『らいむいろ戦奇譚』を、編成上の都合で夕方6時から放送した兵庫県の独立U局・サンテレビに苦情が殺到し、放送倫理・番組向上機構 (BPO)から回答要請を受けるということがあった。この時期を境に、全国各地の地方局での夕方時間帯における新作アニメ枠を取りやめる局が相次いだ(逆に、昭和 60年代以前の作品や自系列で放映されている作品を再放送する枠を設けた局もある)。これについては、苦情のリスクのある新作アニメを止めて、過去に高い評価を得ている(=苦情の恐れのない)名作アニメや現在高い評価を得ていることが明白である自系列のアニメを多く放送しているという見方もある。ただし、TOKYO MXのようにテレビ東京の『アニメ530』化に合わせて、他局では深夜帯に放送のUHFアニメを平日の夕方枠などで放送している例もある。

TBS系列局の毎日放送 (MBS)は、2002年『機動戦士ガンダムSEED』放送以降(『土6』枠放送作品ほか)で過激な表現を多用する傾向が強い(こちらもBPOから回答要請を受けたことがある)。理由として、同局のアニメ担当プロデューサーである竹田菁滋の意向が大きいと言われる。一般視聴者や、アニメファンからも「表現が行き過ぎているのではないか」との批判がある。

近年では諸事情で放送できなかったり、編集を施していない話を商品化の際、収録するなど半OVA化する動きが、一般的になりつつある(『天元突破グレンラガン』『ガン×ソード』等)。

また、系列局の中部日本放送 (CBC)制作の深夜アニメ作品もMBSほどではないが、比較的過激な描写を行う作品も少なくない。