アニメーションの概要
「アニメーション映画」は、実写映画、特撮映画などと対比させた言葉で、「劇場用アニメ映画」は、テレビアニメ、OVAなどと対比させた言葉である。1960年代にテレビアニメが登場するまではアニメーションの媒体といえば、映画しか存在せず、アニメーションといえば例外なくアニメーション映画であった。ただし、当時はアニメーション映画という呼称は一般的ではなく、漫画映画と呼ばれていた。
アニメーション映画は、映画館のみならず劇場、屋外劇場などで上映することを目的に作成されたものでもある。そのため、アニメ映画と劇場版アニメはほぼ同義語になっている。テレビアニメとして放映される作品の場合は、通常のテレビシリーズと区別するために、「劇場版」または「映画」とタイトルに付くことがある。テレビシリーズとは別に1本で完成された作品にするため、一部を除き、その殆どは映画用に作成されたオリジナルストーリーとなっている。テレビが登場するまでは、アニメとはもっぱら映画館で上映されるものであり、アメリカではテレビ時代になってからも繰り返し劇場短編作品がテレビで放送されている。日本でも同じく 1960年代にテレビアニメが量産されるまで、『トムとジェリー』『ポパイ』『スーパーマン』『ベティ・ブープ』などアメリカの劇場短編作品がテレビで放送されていた。 テレビが普及する以前には、ニュース映画とともに短編アニメが一般映画(本編)の前座として上映された。多くの短編劇場アニメはこの時代に製作されたものである。ディズニーが初の長編アニメ『白雪姫』を製作するまで、アニメと言えば、ストーリーを楽しむというより絵が動くことを楽しむアトラクション的な短編アニメが常識であった。
近年、映画館での公開終了後、地方の公共団体、自治体に貸し出され、星空映画会などのイベントで無料公開されることが多くなった。
一方1980年代からは、ロードショー (映画)やミニシアターでの上映(興行映画作品)ではなく、各地の上映会団体が自主的に上映する親子映画用途で、戦争体験・いじめや差別(人権擁護)・伝記などをテーマとした児童書等を原作とした長編作品(うしろの正面だあれ、ハッピーバースデー いのち輝く瞬間、ガラスのうさぎ、「対馬丸 さようなら沖縄」など)が製作されるようになった。これらの作品は娯楽よりも道徳教育の要素が強く、各地域の上映会実施団体が上映作品の選定(基本的には新作)と上映会の開催を行っている。